| 第5日    
 天候が崩れつつある
   
 
 ガスが沸きつつある   
    木々は静まっている
 
  
 鳥はさえずっている
     涅槃岳:ねはんだけ 証誠無漏岳:しょうじょうむろだけ
 阿須迦利岳:あすかりだけ
 仏教色の濃い名前の山々を越える
 岩場に架けられたクサリにすがって岩峰を越え
 クサリにすがって急峻な 岩峰を下る
 よかった まだ雨が降る前で
 岩場での雨 滑るので危険
 最高峰の八経ヶ岳が2000m今朝 朝一番に越えた大日岳が1600ほど
 このあたりの山々は1300m内外の峰々である
 今日のルート全体としては どんどん下降していく
 登り降り あくまでキツイ 5日目 足はパンパンに張ってる
  14:30 持経宿を過ぎた辺りで 雨本格的に降りだす 合羽を着る
 
 考える・・・
 コースタイムでは目的地の
 行仙宿非難小屋まで行くとなると まだ4時間はかかる
 クサリ場を含む この先の道 この雨の中を 夜7じ30ぷん もしくは夜8じ
 ヘッドランプの灯りで
 行仙宿非難小屋への
 到着は可能か?
   雨足 いよよ 激しさを増してるもし あと1時間のところにある
 平治小屋に入れば
 この雨 やりすごせるかも・・・
   けど明日の朝 雨 止んでなければ・・・明日の行程に3時間が増えることになる・・・
 行動10時間越えることになる 可能か?
   ゆれる心 でする 臨機応変の判断その判断の帰結を ぜんぶ引き受けること
 これこそが単独行の登山の 醍醐味でありスリル
   登るべき山 目的を定め自分の体力 判断力で
 安全に そこに 行き着き
 安全に そこから 帰ってくる
 あくまで 単純な 登山とゆー行い
   山=自然 と 渡り合う のではないほんのひととき そこに置いてもらうだけ
   すべて ちっぽけな自分にかかってる悪条件が重なれば ヒトは簡単に死ぬ
   そのことを深く知りつつ ちっぽけな自分がちっぽけな自分の すべてを尽くして
 大きすぎる山=自然と
 ちっぽけな自分との
 折り合いをつける
 それだけ
 15:30 先を急がず 平治の小屋に非難して
 火を焚いた
   
 
 深仙の小屋から 17221歩 8.1キロの移動
 行動9時間30分
 奥駈道12 平治小屋の夜 |