えーと、もいっぺん赤貝。
窯の中に赤貝とセンベイで重ね焼き。
4段に重ねるとしたの赤貝割れてしもた。
次回は手間を惜しまず、いちばん下の貝には土を詰め込んでおこう。
せっかくの重ね焼きホーカイはさけたい。
こーつめると、こーなる
センベイのマスキングで『ボタモチ抜け』
うるち米のワラがはさんであったので『緋だすき』
あわせて『抜け満月にヒダスキ』という景色。
海の貝(赤貝がもっともテキトー)を置くと下の品もンにも上の品もンにも変化をつけれるってコト。
高温で焼いたら、貝からでる塩素ガスとナトリウムガス。
ナトリウムが粘土の珪酸分と反応してナトリウムソーダのガラスになるってことらしー。
ポーっと赤く変化してますでしょ。
食塩を窯の中になげこんでやる『塩釉:えんゆう』『塩窯』はヨーロッパの伝統技術。
ぼくは益子でやったことあるんですけど、登り窯の後ろの部屋の温度があがったら、茶碗にすくって焚き口から何杯か投入する。すると窯からはミドリ色の火が出ます。キレイー!
「塩素ガスやからぜったい吸い込むなよ、死ぬぞ」と云われましたが・・・
窯が傷むんですよねー、塩釉やると。
窯の中全体に釉薬(ガラス)ぶちまけてるんとおんなしやもん。窯の内部炉壁や棚板やツクがはやく傷む。
天井部についた塩ガラスがつららみたいに育って品もンに、ポタッ!これを『窯だれ』といいます。キズもんですよね。
なので窯出しのあと、手入れしてガラスのつららをとりますす。気ぃつけんと窯出入り口アーチ部の、ハンマーで折りとった残りの破砕面で背中一文字にスパァーっと切りさきますから・・・ことほど左様に塩釉、塩窯はタイヘン。
まっ、赤貝で受けて焼くならそこまでのことは無いから、ダイジョーブ。1回使こたら再使用できません。モロくなってますし。塩気はぬけてしもてるんで。
ぼくは三重県の津の御殿場浜(潮干狩りの名所)にひろいに行ってました。
波で洗われて白い清潔なんが集まるけど、一日ひろてもたいした量にならへんのと、当たりはずれがあるんですわー。
いっぱいあった浜に次いったらもうぜんぜん無かったり・・・それに小さいのんしかない。
困ってたら、さる京都の高級寿司店でバイトしてるオネイサンとねんごろになり・・・でっかい、毛だらけの、りっぱな赤貝入手にセイコー!(注:掛けコトバにはなってません)
あーもひとつ注意。
よう洗ろといてもらわんと、臭そーて臭そーて、オージョーしまっせ!
あー、いちばーん奥につめた備前土はこーなりました。
うーん、ちょっとカンジ出て来てるかなぁー。
やっぱり信楽の土屋にまわってきてる安もんの備前土と、
直接備前の土屋で買うのんはちがうねー。
11種類の備前土の特性をつかむにはもっと試験しないとなぁ・・・
沖縄の荒焼(あらやち)の土は奥の温度でもヘタリ(ひどい変形)とブク(粘土がぶくぶくと沸く)が出た。耐火度がそーとー低い。1100度までは持つと聞いてるンで、奥はそれより上がってるとゆーこと。しかし、こっちの土ももうしばらく追ってみるヒツヨーあり。
明日の 『焼き直し』と『水止め』 につづくぅー!
穴窯焼成の実際12 焼き直し/水止め/直し
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