おしえてやきものAtoZ |
この道一筋22年。京都・越前・美濃・益子で修行した私、中根 啓が陶芸、焼物に関する
いろんな質問にお答えしましょう。
技術的なこと、いろんな素朴な質問、どしどし聞いてください。アマチュア陶芸家の方、
私は22年で得た情報アンド技術を惜し気もなく公開いたします!
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Q1 焼物はどうやって始まったのですか?
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A1 えっーと、ネトネトした土があるやん。いろんなとこに。それが粘土。その上を歩いたら足アトがつくやろ、ほんで乾いたら足アトのついたまんま固まってるやん。
そやけど雨が降ったら溶けてしもて元の粘土の平らな地面にもどってしまう。ところが大昔人間にもまだなっていない猿みたいな人とか(ナンヤネンそれ)縄文人がとかのいた頃、その猿みたいな人の中で粘土が固まって足アトのついた地面の上で焚き火
した奴がおるねん。火は火山から持ってきてもうあったんや。ほんで次に雨が降った 後、この焚き火のまわりの足アトだけは溶けんと残ってて水がたまってたんや。他の
とこは足アトもなくなってネトネトの平らな地面に戻ってんのに。これを見た頭のカ シコイ猿みたいな人(ナンヤネンそれ)が「これはこの土と火が関係ある!」というこ
とで、ネトネトの土をお皿とかにして焚き火の火の中に入れたんやね。これが焼き物 のはじまり。
なにしろこの時代は刃物とかないから、木を削って形を作ることもできへんかったけど、粘土はそこらにあってカンタンに形ができる(可塑性が高い)、焼いた壷とかに食べ物を入れたり、それを火にかけてやわらかくして食べれるし、それまで石とか葉っぱの上にのっけてたのに、焼き物の器の上にのせれる。そうすると、この焼き物を作っている猿みたいな部族の仲間はとても強よなったワケや。前は生で食べてたから消化も悪いしお腹こわして早よ死んでたのに。壷のなべで調理したら、バイキンも死ぬし、栄養の吸収もいいから、とても強くなって、隣りの部族をやっつけにいく体力がついたんやね。人類の大発明、焼き物。
世界のいたる所で自然発生したんやね。この焼き方が野焼きです。野焼きだと植木鉢くらいに焼き締まります。800℃〜1000℃ぐらいかな。今でも、アジア、アフリカだと、この方法で生活道具を焼いてます。町の屋台でチャイ一杯5円とかで飲むのに、紙コップのほうが高いから野焼きのカップで飲んだら、ポイガシャッって割って捨てるとかね。
ビルマ、タイとかそんな焼き物を焼くのが村全体の業(なりわい)とかね。バリの隣りのロンボク島の焼き物なんかはデザイン性の高い野焼きの黒陶とか紅陶でとてもいい。次回バリに行くときはゼッタイロンボクに渡ってたずねるつもり。誰か、国内外の野焼きについて情報あったら教えてネ。 |
えー、おしえてやきものAtoZにイイ質問がよせられました。 どこかのカズシ君からです。さっそくこたえていきましょう。 |
Q2 ねんどをやくと、どうしてかたくなるんですか。
ねんどじゃなくても、アルミナの こななんかをやいても、どうしてかたくなるんですか。 |
A2 イイところに気がついたねぇカズシ君。 君は、なんねんせいかな。
どうしてアルミナなんていうムズカシイ言葉をしってるのかなぁ。まあいいでしょ。
カズシ君、火でやけどしたことあるでしょ。火はあついよねぇ。ねんどは、あつい火をあてられると、ギュッとかたくなって、じぶんをまもろうとするんだよ。やんきーのひとが、根性焼きするとき歯をくいしばって、手をギュッとにぎってがまんするのと同じことだよ。 |
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Q3 かんそうしたねんどは水にとけるのに、ねんどをやくと、どうして水にとけなくな
るんですか。がらすができるような、たかいおんどでやかなくても、すやきの、ひくいおんどでやいた、じょうもんしき土器なんかは、どうしてなんぜん年も、水にとけないんですか。 |
A3 すばらしいね、カズシ君。こどもとはおもえない論理のてんかいだね。でもQ2のこたえを思いだしてごらん。Q3のこたえがかんたんにわかるよね。こたえは、やいたねんどは根性がある。だね。じょうもんしき土器はすごく根性があるんだね。じゅうぶんにヘッドがはれるうつわだね。
わかったかな、はっぷうようのけいおじさんの『おしえてやきものAtoZ』のこと、ほかのおともだちにも おはなしして、やきもののこと、みんなでかんがえよう!
けいおじさんでわからないことや、おじさんのこたえでは満足できないときは、おじさんのおともだちで、よう業しけんじょうというところではたらいている川澄一司おじさんにきいてみよう
。
アレッ、カズシ君とおんなじ名前だね、へんだな。まいいっか。
川澄一司おじさんのはたらいている、しがらきよう業しけんじょうに連絡しようね
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