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生き延びるための陶芸技法『生き陶』
★1 土揉みをしない
★2 切立ち型の品は1個挽きする
★3 ヘラは使うな
★4 指すじはダイジ
★5 3〜7ミリ気にすんな
★6 柄ごてナシ
★7 乾かしの段取り
★8 ケヅリは「輪ッか」で
★9 取っ手
★10 白化粧をダイジに
★11 穴窯には手をだすな
★12 再生するな

★生き陶 6 柄ごてナシ



戦後 高度成長期このかた
ゆたかなニッポンの実現とともに

手作り手描きのやきもんは
生産性の低さを美的付加価値に置きかえて
生き延びてこれた→ネダンが高くてアタリマエ

極端な例が 京焼
ヒジョーに高くって美術工芸品
普段使いの工芸とは言えんネダン
これも宿命からでたひとつの行き方=必然

だがしか〜し 
これからもそれでやってイケルかな?
手作りの陶芸はそんなふうでやってイケルかな?

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国が豊かになるとサラリーマンになりたくない
ゲージュツ家志願がどんどんふえて 
70年代から美術系大学/短大の陶芸科開設急増

ほとんどの子はお坊っちゃん芸おじょうちゃん芸で
終わらせて一般企業に職を得るんやけど・・・
やきもん業界にもそこらのヒトが流入して修行

ま ぼくもそーゆー流れの中にいたわけですね
3流短大で洋画科やったから京焼の窯元に
絵つけ師として雇用されたわけです

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京都での電気窯/ガス窯の普及は60年ころから
おかげで個人でやきものを焼ける時代がはじまった
☆まだ40年とも言えます。

ヒトも増えた それを支える窯も普及した
たーくさんのサラリーマンにはなりたくない
ナマイキな変わり者がこー思ったわけです

ひとりでできるアートっぽい職業→ 陶芸家

200万円と10畳くらいのスペースと
作り焼く技術があれば始められて
先生と呼んでもらえる仕事 資格もなんにもなし
安全でキレイな仕事 危険はない
額に汗してする仕事らしい仕事

ええぞー 陶芸家は ひとりでできるもん

社会のなかで生きて行く苦しみって
人間関係と経済のモンダイ

やきもん屋になると
人間カンケーの問題からはかなり逃れられる

いやな上司の顔色うかがうコトもないし
派閥つくって対抗するヒツヨーもない

ひとりで作ってひとりで焼きそれを売って
オマンマをいただく・・・

それも仕事の1部分を担うやなくって
最初から最後までをひとりでやり通す仕事
・・・見てとれる結果と成果

 なのでやりはじめる人急増
 
けど そのすべての責任をひとりでひきうけ
作った品を売って再生産できるだけのお金を
生み出せてこそ続けられる・・・
仕事としての『陶芸家/やきもん屋』

『技術』がないと ダメです

たかだか40年しかたっていないんですね
電気窯/ガス窯などで個人でパーソナルに焼き物を
焼く時代がはじまってから。

そやから 妻子やしなって行く仕事として
今とこれからを生きのびるには
ここ40年で現場で習い覚えて来たやり方を
『今とこれからのやり方』に変えなきゃ

変える余地 いーっぱいありますよー
ぼくの目からみるとー

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こどもたちよ れん/りつ/がく よ・・・


オレのハナシを聞けぇ〜〜〜〜♪

ワシももう長くはない・・・
不治の病におかされておる・・・

病の根は生まれた時から
ワシの身体に宿っておったんじゃ・・・

老衰とゆー名のこの病は
50年もせんうちに
ワシの命を奪うであろう・・・(現在48)

悠久の宇宙の時の流れの中では・・・
人の生は一瞬のできごと

その一瞬をやきもん屋として
生きてこれてワシはシアワセじゃった・・・

だからじゃ 
いつかオマエたちが
やきもん屋をやろーと思った時のために・・・

この道ひとすじ30年 ハプー口伝
『生きのびるための陶芸技法』略して『生き陶』

れん/りつ/がく こころして聞けぃ!

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★生き陶 6 柄ゴテは使うな
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これまでは
手作り手描きのやきもんは
生産性の低さを美的付加価値に置きかえて
生き延びてこれた→ネダンが高くてアタリマエ

ウチはそんなやり方では生きのびることできひんぞー
あくまで普段使いの工芸を価格的にもツイキューする
ここさえ守れれば「潜在的市場」はまだまだ無限にある

負ける気せーへんなぁ これからのキョーソーに
ほんでもってヨソが倒れるのを待とか

さ そのために生産性をあげるには
ほかのやきもん屋が意識してない、ちっちゃな工夫
いろいろの手口を使い/組み合せて
速くつくるってことヒツヨー

速さはチカラ

立て掛けてあるのが柄ゴテ

徳利とか花入とかの袋物 
下が膨らんでて口が閉じてる形を袋物ってゆーんや

このカタチ以外を作るのに『柄ゴテ』使うなよ
たかさ17センチ以下の深い筒物=タンブラーとかでも
指だけでのばせよー

手がデカかったらムリやけど
おまえらみんな未熟児で生まれてるんやし
手はちっさいはず きっといけるはず

この形は1個挽きでやる ケズリはなし
300グラムの玉から口径10高さ14にのばす
土殺ししてからの伸ばし 4回で終われ 測るのは2回
なれればそこまでできる 1個2分

この日 ワシは9時間仕事して
タンブラーが75 こども飯碗が80
5寸の浅鉢が55 全部で210の水挽きをした
速いやろー どーやったら速く挽けるかってゆーと

上にのばそうとするからのびひんねんぞ
気持ちがそーなんんはワカルけど
うえに伸ばそうとゆー意識でやると伸びない

手前に挽くんや!
水挽きやねんからっ!

そーすると結果として
どんどん上にのびる 水挽きの極意はココ

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たおやかな指すじ/ドベすじ/ロクロ目をのこして
風の絵を描き、使う時に滑り止めになって
しっかり保持=持ちやすいよーにな

サイズ、器の形、完ぺきにそろえよーとしたら
つまらん物になるぞ

なんべんもなんべんも手を入れた
チマチマ/こちこち/テイネイ/キレイな物より

作り手の息づかいのこもった
イキオイのあるロクロをして強いカタチを作れ
3〜7ミリのサイズのふぞろいよりイキオイがダイジ
その『ゆらぎ』が手作りの証し

目のあるお客さんはそこをわかって買おてくれはるし
お客さんンが使いこんででゆくうちに
『ゆらぎ』のある手作りの品の良さと強さは
お客さんの目と手をとおしてかならず伝わる
こども飯碗つこてくれはる5才のこどもさんにも
それは伝わる まちがいないっ!!!!
 
機械のもん よそのもんとの 
くっきりとした『差』がダイジ

ろくろ技術が未熟でサイズそろわんのを
手づくりですから・・・と言いくるめるのとは
ちがうぞ そんなイイワケしてると滅ぶ

サイズもふぞろい イキオイもない品もン
そんなもん焼くネウチないっ!

 作りなおしっ!!!!!!

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★生き陶 7 乾かしの段取り

 

 




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