戦後 高度成長期このかた ゆたかなニッポンの実現とともに
手作り手描きのやきもんは 生産性の低さを美的付加価値に置きかえて 生き延びてこれた→ネダンが高くてアタリマエ 極端な例が 京焼 ヒジョーに高くって美術工芸品 普段使いの工芸とは言えんネダン これも宿命からでたひとつの行き方=必然 だがしか〜し これからもそれでやってイケルかな? 手作りの陶芸はそんなふうでやってイケルかな? ----- 国が豊かになるとサラリーマンになりたくない ゲージュツ家志願がどんどんふえて 70年代から美術系大学/短大の陶芸科開設急増 ほとんどの子はお坊っちゃん芸おじょうちゃん芸で 終わらせて一般企業に職を得るんやけど・・・ やきもん業界にもそこらのヒトが流入して修行 ま ぼくもそーゆー流れの中にいたわけですね 3流短大で洋画科やったから京焼の窯元に 絵つけ師として雇用されたわけです ------------ 京都での電気窯/ガス窯の普及は60年ころから おかげで個人でやきものを焼ける時代がはじまった ☆まだ40年とも言えます。 ヒトも増えた それを支える窯も普及した たーくさんのサラリーマンにはなりたくない ナマイキな変わり者がこー思ったわけです ひとりでできるアートっぽい職業→ 陶芸家 200万円と10畳くらいのスペースと 作り焼く技術があれば始められて 先生と呼んでもらえる仕事 資格もなんにもなし 安全でキレイな仕事 危険はない 額に汗してする仕事らしい仕事 ええぞー 陶芸家は ひとりでできるもん 社会のなかで生きて行く苦しみって 人間関係と経済のモンダイ やきもん屋になると 人間カンケーの問題からはかなり逃れられる いやな上司の顔色うかがうコトもないし 派閥つくって対抗するヒツヨーもない ひとりで作ってひとりで焼きそれを売って オマンマをいただく・・・ それも仕事の1部分を担うやなくって 最初から最後までをひとりでやり通す仕事 ・・・見てとれる結果と成果 なのでやりはじめる人急増 けど そのすべての責任をひとりでひきうけ 作った品を売って再生産できるだけのお金を 生み出せてこそ続けられる・・・ 仕事としての『陶芸家/やきもん屋』 『技術』がないと ダメです たかだか40年しかたっていないんですね 電気窯/ガス窯などで個人でパーソナルに焼き物を 焼く時代がはじまってから。 そやから 妻子やしなって行く仕事として 今とこれからを生きのびるには ここ40年で現場で習い覚えて来たやり方を 『今とこれからのやり方』に変えなきゃ 変える余地 いーっぱいありますよー ぼくの目からみるとー □□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□ □□□□□□ □□□□□□ こどもたちよ れん/りつ/がく よ・・・ オレのハナシを聞けぇ〜〜〜〜♪ ワシももう長くはない・・・ 不治の病におかされておる・・・ 病の根は生まれた時から ワシの身体に宿っておったんじゃ・・・ 老衰とゆー名のこの病は 50年もせんうちに ワシの命を奪うであろう・・・(現在48) 悠久の宇宙の時の流れの中では・・・ 人の生は一瞬のできごと その一瞬をやきもん屋として 生きてこれてワシはシアワセじゃった・・・ だからじゃ いつかオマエたちが やきもん屋をやろーと思った時のために・・・ この道ひとすじ30年 ハプー口伝 『生きのびるための陶芸技法』略して『生き陶』 れん/りつ/がく こころして聞けぃ! ------------------------------------------------ ★生き陶 6 柄ゴテは使うな ------------------------------------------------ これまでは 手作り手描きのやきもんは 生産性の低さを美的付加価値に置きかえて 生き延びてこれた→ネダンが高くてアタリマエ ウチはそんなやり方では生きのびることできひんぞー あくまで普段使いの工芸を価格的にもツイキューする ここさえ守れれば「潜在的市場」はまだまだ無限にある 負ける気せーへんなぁ これからのキョーソーに ほんでもってヨソが倒れるのを待とか さ そのために生産性をあげるには ほかのやきもん屋が意識してない、ちっちゃな工夫 いろいろの手口を使い/組み合せて 速くつくるってことヒツヨー 速さはチカラ 立て掛けてあるのが柄ゴテ 徳利とか花入とかの袋物 下が膨らんでて口が閉じてる形を袋物ってゆーんや このカタチ以外を作るのに『柄ゴテ』使うなよ たかさ17センチ以下の深い筒物=タンブラーとかでも 指だけでのばせよー 手がデカかったらムリやけど おまえらみんな未熟児で生まれてるんやし 手はちっさいはず きっといけるはず この形は1個挽きでやる ケズリはなし 300グラムの玉から口径10高さ14にのばす 土殺ししてからの伸ばし 4回で終われ 測るのは2回 なれればそこまでできる 1個2分 この日 ワシは9時間仕事して タンブラーが75 こども飯碗が80 5寸の浅鉢が55 全部で210の水挽きをした 速いやろー どーやったら速く挽けるかってゆーと 上にのばそうとするからのびひんねんぞ 気持ちがそーなんんはワカルけど うえに伸ばそうとゆー意識でやると伸びない 手前に挽くんや! 水挽きやねんからっ! そーすると結果として どんどん上にのびる 水挽きの極意はココ -------- たおやかな指すじ/ドベすじ/ロクロ目をのこして 風の絵を描き、使う時に滑り止めになって しっかり保持=持ちやすいよーにな サイズ、器の形、完ぺきにそろえよーとしたら つまらん物になるぞ なんべんもなんべんも手を入れた チマチマ/こちこち/テイネイ/キレイな物より 作り手の息づかいのこもった イキオイのあるロクロをして強いカタチを作れ 3〜7ミリのサイズのふぞろいよりイキオイがダイジ その『ゆらぎ』が手作りの証し 目のあるお客さんはそこをわかって買おてくれはるし お客さんンが使いこんででゆくうちに 『ゆらぎ』のある手作りの品の良さと強さは お客さんの目と手をとおしてかならず伝わる こども飯碗つこてくれはる5才のこどもさんにも それは伝わる まちがいないっ!!!! 機械のもん よそのもんとの くっきりとした『差』がダイジ ろくろ技術が未熟でサイズそろわんのを 手づくりですから・・・と言いくるめるのとは ちがうぞ そんなイイワケしてると滅ぶ サイズもふぞろい イキオイもない品もン そんなもん焼くネウチないっ! 作りなおしっ!!!!!! ---
★生き陶 7 乾かしの段取り
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