わがムスコ レン/リツ/ガクよ これからな おまえら大人になって生きていくやろ きっと いろんなことがあるで 物事には ツイてる ツイてない ってことがある それが 生きて行くことの『味わい』 やぞ 運がイイとか ワルイとか ヒトはときどき口にするけど そーゆーことって たしかにあると 自分を見ててそー思う←これは さだまさしの無縁坂 ツイてない よーやけど ツイてる ------- まず前のカミさんが逃げた←×1ってこと 会津本郷の窯元の息子が前のカミさんに横恋慕しよったんや おかげで窯ぐれ修行の旅に出られた 京都で6年やってから越前/美濃/益子と2年 ここで見聞き/体験したことのすべてが財産になってる おかげで現カミさんと出会えた オマエらのオカーサンや ほんでオカーサンがクルマ運転してて事故った ノーブレーキで停まってた駐車車両につっこんだ オカーサンはシートベルトしてたからケガなし 助手席でベルトしてなかったオトーサンは左目失明 独立2年目1987/12/9良く晴れた午後1じ40ぷん 左が視力0で右が無傷 ツイてるやろ おかげで障害保険のオカネが1000万 ツイてるやろ 今 ここに この 八風窯の工房があるんは そのおかげ オトーサンの 目ェ1個と コーカンした生産の拠点 オカーサンの ツライ思いをすいこんでる場所 ・・・そやさかい だれか やれや ----------------- おまえたちがいつか やきものをやる日のために書き残す ハプー山人の口伝書 『生きのびるための陶芸技法』 略して『生き陶』 心して聞けぃ・・・ -------------------------------------------- ★生き陶12 再生するな -------------------------------------------- いらん手間はぶいてコストをさげ 実質的に役に立つ道具=日常の家庭食器を 手作り手描きで作って安く市場に出す←これが『生き陶』の眼目 おまえらの時代にやきもん作って妻子養っていくホーホーやぞ 地の利 ってことを考えろよ ここは田舎 街場でやってるやきもん屋に どこで優ってて どこで劣ってるのか いろいろに考えろよ 広さは速さ 速さはチカラ 広さがあると 土練機を買おて ケヅリカス再生しよと思たりするけど それは逆 粘土はやきもの屋の命 一片の粘土も大切につかう←ロマン主義的正論 信楽の土屋まで1時間で行ける←地の利 ケヅリカスはぜんぶまとめて土屋にもどす 再生はしない 再生する時間で品もンを作る 土はもともとタダみたいに安い キロ¥55 とか 削ったカスを土練機通して再生してたら それナンボに付く? もともと安い土を 手間かけて高いモンにすることない 絵を描いたり/ロクロ挽いたり/釉薬かけたり/窯詰めたり 技術のあるヒトの手から時間をうばうよーなロマンは排除する 1時間あったら湯のみ30挽けるで それで稼ぐほーがカシコイ 再生は土屋の大型土練機にまかせたらえーんや よそがやってる、昔からこー と タラタラ仕事するんやなしに いらん手間をはぶき 生産性をあげて かっちり能力全開の仕事をして メリハリをつけ 作り出した時間で 『遊べ』 カネあっても カネなくても『遊ぶ』 芸事をやるニンゲンはその『遊び』から つぎの仕事の『発想』がうまれるンやから 遊べるてーどには稼ぎ 遊ぶ時間を生み出すために いらんロマンを排除すんのが 生きのこる陶芸技法 やぞ ---
★生き陶1 土揉みをしない
|