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生き延びるための陶芸技法『生き陶』
★1 土揉みをしない
★2 切立ち型の品は1個挽きする
★3 ヘラは使うな
★4 指すじはダイジ
★5 3〜7ミリ気にすんな
★6 柄ごてナシ
★7 乾かしの段取り
★8 ケヅリは「輪ッか」で
★9 取っ手
★10 白化粧をダイジに
★11 穴窯には手をだすな
★12 再生するな

★生き陶11 穴窯には手をだすな

 

薪でたく穴窯にはやきものの原点としてのロマンがある
電気やガスや灯油の窯で焼いてるとシブいもんが焼きたくなる

自分の意識をこえて火と灰で天然自然の絵を描いてもらうのが
穴窯でのやきもの作りや 

やりたくなるのはわかるけど・・・

ペイせーへんぞ 
ぜいたくな道楽としてしかやれへんもんなんや

さんざんやって50回は焚いた
多い年は年に10回 こんな年が3年
50回やり 店にも人にも買っていただいて
トントンにはなってたみたいやけど・・・もう気がすんだ

穴窯焼成の実際1〜12

この穴窯は じゃまになったら そのうち壊そ 

--------------

オレが1週間つめてロクロしたら一窯分になる
窯詰めが勝負やからまる1日から1日半
アブリをいれて4日間の焼成 丸3日は薪をくべつづける
薪代は15万 窯だしに1日 底の仕上げは3日はかかる

アガリがいいものは
グイ呑みやと1個¥3000〜5000やけどこれは上代 
下代(卸値)は半分 花入で¥5000〜15000上代 
ほんとにいいアガリのもんはすこししかとれへんぞ

あまりにも不安定な原始的な焼成技法
そこにおとずれる意図せぬ美
窯の神の差配
・・・このロマンにからめとられるとエライ目にあうぞ

花器/酒器/鉢/湯のみ ビードロ/焦げ/緋色/ヌケ
灰かぶり/自然釉のやきもんはシブイ
これを焼けるとやきもん焼いてる気がしてウレシイ

夜通し薪くべてると 明け方 
鹿が川原を渡るひずめの音が聞こえる・・・

やきもんを焼く根っこのとこにある詫・寂の美
縄文から桃山まで焼いてきた原始窯業の技術や
原点はなんでもオモロいもんなんや

どんどんくべる薪が
火床にたまって真っ赤な熾(オキ)になり
そのかぎろいの中から立ちあらわれる自作の壺
いいアガリになってくれよーと祈りつつ焼き 願いつつ焼く

でもそれを売るのは至難の技 
とくにこれからは力ある競争相手も多い 
このロマンにとらえられてやりたい人多いからな 

これらの値の張る品を売る力のある店と
これらの美がわかりオカネを出せる使い手が
どんどん減ってるのが現状

詫・寂の美はあまりにも融通無碍 
とらえどころのないものなんや
そーいったもんをちゃんと
売るには「肩書」がいる

ゲイジュツはきれいな箱にいれて
リボンかけへんと1文にもならんもんなんや

穴窯でやって行くんなら まず 品の質を高める
これは焼きを極めた上で 最終は「土に凝る」
山 行って自分で掘るトコまでいかんなんぞ
ボーダイに土を焼いて色見(試験)せんなん

品の質を高めた上で「肩書」を作らんなん
入選くらいではぜんぜん不足 ○○陶芸展○○賞受賞 
これを何回もかさねてはじめてツウヨーするケーレキ

これが美術工芸品の作家としてやっていくバアイの
「営業力」やしそんな中でそれらのヒトといい関係を
つくってゆく「おつきあい」ができんとなんにも実らん

ほんとに創るチカラがあって さらに
ボーダイな時間をそれらのことに
そそぎ込めるヨユウと腹がないと無理

そしてこれらの品を買う人たちにむすびつけてくれる人
道具屋/画商にカワイガッテもらえるような人格やないと
穴窯でのやきもんは売って/食っていけないもんなんや

穴窯は茶陶(茶道でつかうやきもの)をやって
抹茶茶碗を1椀15万円で売るトコを
目指さんとペイしない

あるいはたんに『道楽』と割り切ってやるか
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こんな遠い道を行くくらいなら
灯油窯で道具としての日常食器を焼いて
陶器まつりやクラフトフェアの路上で商いして
出会うお客さまにできるだけヨロコンでもろてるほーが
なんぼか気楽とちゃうかなぁ
 
そやから オマエら 穴窯には 手を出すな

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★生き陶12 再生するな

 

 




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八風窯(はっぷうよう)

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