薪でたく穴窯にはやきものの原点としてのロマンがある 電気やガスや灯油の窯で焼いてるとシブいもんが焼きたくなる 自分の意識をこえて火と灰で天然自然の絵を描いてもらうのが 穴窯でのやきもの作りや やりたくなるのはわかるけど・・・ ペイせーへんぞ ぜいたくな道楽としてしかやれへんもんなんや さんざんやって50回は焚いた 多い年は年に10回 こんな年が3年 50回やり 店にも人にも買っていただいて トントンにはなってたみたいやけど・・・もう気がすんだ 穴窯焼成の実際1〜12 この穴窯は じゃまになったら そのうち壊そ -------------- オレが1週間つめてロクロしたら一窯分になる 窯詰めが勝負やからまる1日から1日半 アブリをいれて4日間の焼成 丸3日は薪をくべつづける 薪代は15万 窯だしに1日 底の仕上げは3日はかかる アガリがいいものは グイ呑みやと1個¥3000〜5000やけどこれは上代 下代(卸値)は半分 花入で¥5000〜15000上代 ほんとにいいアガリのもんはすこししかとれへんぞ あまりにも不安定な原始的な焼成技法 そこにおとずれる意図せぬ美 窯の神の差配 ・・・このロマンにからめとられるとエライ目にあうぞ 花器/酒器/鉢/湯のみ ビードロ/焦げ/緋色/ヌケ 灰かぶり/自然釉のやきもんはシブイ これを焼けるとやきもん焼いてる気がしてウレシイ 夜通し薪くべてると 明け方 鹿が川原を渡るひずめの音が聞こえる・・・ やきもんを焼く根っこのとこにある詫・寂の美 縄文から桃山まで焼いてきた原始窯業の技術や 原点はなんでもオモロいもんなんや どんどんくべる薪が 火床にたまって真っ赤な熾(オキ)になり そのかぎろいの中から立ちあらわれる自作の壺 いいアガリになってくれよーと祈りつつ焼き 願いつつ焼く でもそれを売るのは至難の技 とくにこれからは力ある競争相手も多い このロマンにとらえられてやりたい人多いからな これらの値の張る品を売る力のある店と これらの美がわかりオカネを出せる使い手が どんどん減ってるのが現状 詫・寂の美はあまりにも融通無碍 とらえどころのないものなんや そーいったもんをちゃんと 売るには「肩書」がいる ゲイジュツはきれいな箱にいれて リボンかけへんと1文にもならんもんなんや 穴窯でやって行くんなら まず 品の質を高める これは焼きを極めた上で 最終は「土に凝る」 山 行って自分で掘るトコまでいかんなんぞ ボーダイに土を焼いて色見(試験)せんなん 品の質を高めた上で「肩書」を作らんなん 入選くらいではぜんぜん不足 ○○陶芸展○○賞受賞 これを何回もかさねてはじめてツウヨーするケーレキ これが美術工芸品の作家としてやっていくバアイの 「営業力」やしそんな中でそれらのヒトといい関係を つくってゆく「おつきあい」ができんとなんにも実らん ほんとに創るチカラがあって さらに ボーダイな時間をそれらのことに そそぎ込めるヨユウと腹がないと無理 そしてこれらの品を買う人たちにむすびつけてくれる人 道具屋/画商にカワイガッテもらえるような人格やないと 穴窯でのやきもんは売って/食っていけないもんなんや 穴窯は茶陶(茶道でつかうやきもの)をやって 抹茶茶碗を1椀15万円で売るトコを 目指さんとペイしない あるいはたんに『道楽』と割り切ってやるか ------------------------------ こんな遠い道を行くくらいなら 灯油窯で道具としての日常食器を焼いて 陶器まつりやクラフトフェアの路上で商いして 出会うお客さまにできるだけヨロコンでもろてるほーが なんぼか気楽とちゃうかなぁ そやから オマエら 穴窯には 手を出すな ---
★生き陶12 再生するな
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