阿弥陀岳山頂で 10分ほど展望を楽しんだのち ザックを置いた 中岳分岐へ下る 山は登りよりも 下りが危険 切れ込んだ岩陵 左右は千尋の谷 転倒滑落の危険 人はカンタンに死ぬ でも下りでピッチ稼ぐのも技術 20分で登ったトコを 10分で下りる ザラザラしたガレ場 砂礫 ごつごつした岩 乾いてればエエけど 濡れてたら 滑るのがいちばん コワイし危険 なので 靴が ダイジ とくに 靴の底がダイジ 登山靴の底=ソールって イタリア製のビブラムソールに決まってる この会社の底は信頼高くって ムカシからそう いまもそう 一手独占で登山靴の底は Vibram sole 今回 ぼくが履いてきた トレッキングシューズ ビブラムソールで軽いし よく防水の利いた靴 レンから借りた靴 ぼくにはチョイ大きいけど いまのトレッキングシューズは ムカシのより 改良が進んでて とてもいい靴でした♪ 長男レンが春先に 高校のワンゲル部に入りよった はじめての山行は 六甲山に登ってバーベキューするとかで どんな靴とか服を 買こおたらエエのん とゆーので 2万円を渡して ちゃんとした山道具屋=河原町の好日山荘に行って 1万円内外の靴と 数千円の雨具を 店の人にソーダンして買え と指示したもの 寝袋とザックは ぼくのを貸した 中岳分岐へ下りると 12じ=メシ きのうコンビニで買おた 牛肉ゴボウ弁当 と 焼きタラコおにぎり1個 500のお茶のペットボトル チーズとチョコレート 12:25 赤岳へ出発 東の谷から ガスが湧いて 稜線を越えて行く
ガスもあんまり濃くなるようやと 危険 良く踏まれて 方向指示標識が整備された山でも 濃いガスにまかれると 方向を取り違えることがある すすむべき道を 取り誤ることがある
なので ケルン 広い尾根のポイントには ケルン=石積み 山にはいくつもの 案内標識 指示標識がある この ケルンもその1種 こっちに進みなさいとゆー指示 下の方の樹林帯の登山道では 赤いリボン 川をわたる そこからルートはいくつにも取りうる 先人が踏んだあとが いくつもいくつもついてる それらのなかで 木の枝に 赤いリボン 結んであるのが 本来の本道 稜線の岩場やと 岩に描かれた 赤ペンキに ○× ○が本道 間違って進むと危険な箇所には× よく踏まれた山の場合 岩場も登山道も 自然に多数の 枝道とわき道 ができてしまう また本道と無事に合流するんなら エエけど それらを進んでしもて ほんの岩角ひとつ 曲がり間違えると まちがった尾根に入りこんだり 危険な岩場に進みかねない 本道をはずれ 本来のルートを見失う これは ものすごく危険 濃いガスにまかれ はじめてのルートで ルートファインディングに 勘 がなく 午後遅くの行動で 体力と判断力が落ちてて 不意の雨や雪 日没が近い 単独行 または パーティ内に不調の者がいる・・・ 簡単にパニックになる 正常な判断ができなくなる これがいちばん コワイ 偶然でもなんでも いくつかの悪条件が重なると 人はカンタンに死ぬ 中岳のピークに小さな墓碑銘
平成2年○月○日 ○○○○(女名前の4字) 中岳北沢二股に眠る 無積雪期の遭難者の追悼の碑銘 人はカンタンに 死ぬ 自然の前には 無力にひとしい それを深く知るために 登山は有効なスポーツ 自分はちっぽけ カンタンに死ぬ けれど自然の圧倒的な力に対抗しうるのも そのちっぽけな自分の 知力と体力であり そのちっぽけな自分の 冷静な判断力だけ このスリルがあるから 人は山に登る んやと思う 一方で 偶然でもなんでも いい条件が重なってれば 3000mでもハイキングとおんなし♪ 今回のぼくの山行きの装備 ぜんぜんカネかかってません♪ 靴とザックと雨具は そこそこ上等ですが 服はねー 半そでTシャツの上に 長袖白シャツ その上に ラグビージャージ その上に雨具の上衣 これらを 体温調節のために 小まめに 着たり脱いだり 稜線に出るまでは 動いてると暑いから 白シャツでした 下は アディダスの濃紺のジャージ1枚 で押し通した♪ ま ザックの中には 上等の下着や防寒のダウンベスト 緊急ビバークに備えて 寝袋も入れてるんですけどね ちゃんと山小屋に着けるなら それらは使わなくていい 山小屋はあたたかく暖房きいてるし フトンだってあるしね 装備はねーキリがない 大事を取れば どこまでも重くなる 装備はねーキリがない 上等を取れば どこまでも高くなる 中岳への登りですれちがった登山者は ちゃんと「歩く30万円」をしてました ほんとはねー万全の準備ってことなら いまの時期の山には これくらいした方がいい おそらくぼくより10才年長 60才くらい 万全の装備 ノースフェイス社製のゴアテックス素材の アウトギア 雪に備えてのロングスパッツ装着 40L入るアタックザックには 最新の登山用2本ストックがささってた きっと中には雪に備えてアイゼンも・・・ でもなーキリがないからなー 靴だって5万かけられるし いいアウターも5万・・・ いいザックも5万・・・ うんビッグビジネスですよ アウトドアは 市場も広いし・・・・ 赤岳への上りは 完全に 急峻な岩場の連続になる 朝から行動6時間 疲労蓄積 酸素不足 聞こえるのは 靴音 息のあえぎ 耳朶を切る風音 数歩ずつ登っては 小休止 足さばきが鈍くなる 膝の痛みはまだないが 疲労による違和感がすこし
このころすこし 陽の光が射す 東から湧くガス ときおり途切れて陽の光 朝から雨はなく 稜線を東から西に乗り越えるガスの光景 出発した谷の 小屋が遠くに くりかえし光と影が行過ぎる 明日進む岩尾根 見えつ隠れつ 赤岳山頂につく 13:40 2899m 四方は晴れていたが 東方向の遠望はきかない 靴を脱いで 指をのばし しばし山頂 すぐそばの 赤岳頂上小屋でコーヒーを飲む ¥400 ホウロウの赤いカップ なつかしー 高校山岳部の時代に流行っていた ぼくも赤やった ちゃんとしたレギュラーコーヒー つけあわせにカッパエビセンが7本 休憩¥200 お茶つき休憩¥300 有料水洗トイレ¥100 風力・ソーラー発電による電力 物資はヘリでの輸送 格段に進化して 安全と快適と環境保護を さまざまな悪条件のなかで 八ヶ岳 緊急下山 |