赤岳の西壁の直下に 行者小屋 絵に描いたような 山岳的パノラマ 西壁から横岳への岩陵が屏風のように続く 奇怪なカタチの岩峰 大同心 小同心 もうすぐ 雪と氷に覆われる氷壁 アイスクライミングのゲレンデ 標高2350m と そこに ちっちゃいオンナノコ がいてビックリ! この小屋にすんでる ヨウコちゃん オカーサンといっしょにボールで遊んでた ヨウコちゃん に手を振って 中岳道へ 見上げる稜線 すんごい傾斜 うそやろー・・ってくらい急 やけど・・・・ジワジワ高度を稼ぐ そろそろ森林限界線 シラビソ ダケカンバ 背が低い 時折立ち止まって 息を整える 振り返ると 行者小屋 原村 茅野市 諏訪方向に雲海 秋はもう 去っている ダケカンバ すっかり葉を落として 白い幹 ハイマツ シラビソの濃緑に 白い骨 累々 風立ちて 岳の樺(かんば)の 白き骨 見る我とても 頼みやはある 33年ぶりの山 49で登る山 今日明日で23キロの行程 じん帯を痛めたことのある 両方の膝が 持つかどうか・・・ だんだんに 息が上がり始める しばらく歩いては 膝に手をおいて 前傾して 立ったまま 休み休み 高度による 酸素の不足 なんかなー それとも たんに 年取って 体力落ちてんのかなー きっと 両方 聞こえるのは 靴音と あえぐ息の音 だけ 左手に続く屏風のような岩の壁 高度があがるにしたがって 迫力が増す 岩は 山の骨 である 中国の水墨画の指南書 =芥子園画伝:かいしえんがでん にある言葉 岩とダケカンバ 骨と骨 寂しい 山である 侘びた 山である あわれ深い山である 八ヶ岳 ガス |