『なにが起ろうと、わたしたちがここにいて彼らはそこにいる、またわたしたちの内
部にも彼らはいる、さらにやや抽象的しかし現実的にいえば、わたしたち自身が彼
らであり、彼らはわたしたちであるというややこしい関係と事情だけはかわらない
し、かえようがないからである。ゆえにますますつとめるしかてだてはない。見聞
し学び考えを鍛え、同時に品格を保つ、そんな愚直の語感に近い誠実さの実践以外
にはなにもないとわたしはいまも信じつづけている。』
『ソウルの練習問題』 関川夏央 88年文庫版へのあとがき
そう、ぼくらはここにいて彼らはそこにいる。その事実はかわらない。
だから見聞し学び考えを鍛え、品格を保ちつつ、そんな誠実さをもって、
これからも韓国とそこに住む人たちと向きあってゆきたい。
2001/11/16 中根 啓