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窯ぐれ往来韓国編
  ’99 釜山・金海・泗州
  ’00 慶州・聞慶・ソウル
  ’01 ソウルリサーチ
  ’01 利川エキスポ
      ○その1 出発
      ○その2 会場風景
      ○その3 日本館
      ○その4 地域商品館
      ○その5 ガラス作家 朴鐘海(パクジョンヘ)のこと
      ○その6 パレードが来た!
      ○その7 温泉(オンチョン)
      ○その8 金淑希(キムスヒ)のこと
      ○その9 帰路 一本の道

イチョンへの道は遠かった

○その2 会場風景

朴鐘海(パクジョンヘ:ガラス作家44歳)のアパートに13泊

朝起きたら国道3号線を南に広州から利川へ、

コンビニに寄って朝飯と昼飯を仕入れて、30分の通勤。
右側通行とUターンの仕方にとまどったが、それにも慣れ、
しだいに秋っぽく日が多くなる。
道路ぞいには秋桜・無窮花(ムグンファ:ムクゲ:国花)が咲き、
花盗人しては自作花器に生けた。

さて会場を見て行きましょう。

利川メイン会場(広州・麗洲にも)の中央ゲートを入るとキツイ坂
コンデバン窯造形物、坂を登らせるシカケ

3000年に掘り出すタイムカプセルが埋められてる、この中を

窯詰め陶磁器のレプリカやホログラフィを見ながら
ともかく登る。セルフポートレイト。
モニュメント群。これも焼物、陶磁器製品 みんなの撮影場所。
踏んづけっ! 
平日は保育園児・小中高校生の団体がいっぱい!
左手にある特殊映像館とはなにか?
エキスポのマスコット TOYAのコンピューターゲームを
みんなやってる!
この娘たちはいじっちゃイケナイのにかってに操作して
アイドルのビデオクリップを見てました。

右手に降りるとワークショップ会場。

高度な透かし彫り
伝統的な下絵付け 
現代風の花器


この時、利川会場は韓国の作家5人でしたが1週間単位で諸外国の陶芸作家と
入れ代わる。ワークショップてまだ見たことナインで興味シンシンでしたが・・・
麗州会場でもやってて、京都の友人A君も来てやってるそうで・・・

『いま鯉江さんが来たはって、パフォーマーとしてのツカミがすごくて
 みんなそっち見てますから、ぼくはフツーのことを隅の方で細々やってます』

とのこと。いっぺん見たいなー鯉江良次さんの実演。
ワークショップにはパフォーマンスのノウハウもいるよ絶対、オレ向いてるかも。

土の体験広場では

 

大集団が絵付け!

 

はやく世界陶磁器館に行かなくちゃ。

昼ごろだと長蛇の列。
彼女たちが迎えてくれます。
内容は陶磁文明展で歴史の縦軸をなぞり、現代陶磁展で先端・前衛のお歴々
(ピーターヴォーカス・中村錦平・三輪龍作・・・ほんとよく集めたよね)を紹介し、
世界陶磁ビエンナーレ入選作でこれからの方向を提示し、生活陶磁部門入選作の発表
と見ごたえ十分でした。

ビエンナーレ大賞はナイジェリアの人の高さ2m・重量110キロの
赤土のオブジェ『Healing Being』。良かったです。でも輸送費かかったやろねー。

日本人では28名入選、6名が受賞、常滑の吉川正道さんが有名どころですね。
撮影禁止なんでフンイキがわからへんよねー。
広州会場で隠し撮りした画像でもドウゾー。

コンパニオン入場
 

スペインのラスター釉

最近はやりの構造体



オーストラリアの女流 きっと備前で修行してるでしょう。

 

 

中国の現代陶芸はオモシロくなりそう。

利川の現代陶芸はこの辺のカンジをでっかくしてもっとボリュームたっぷりです。
さてもどりましょうか。
坂をおりて左手からはなにやら音楽が・・・
ゴスペラーズっぽいグループ。良いです。
みんなノリがいい。
このあと1週間にわたって全国シムル高校選手権大会が。
シムルは韓国伝統相撲
団体戦、気合いかけあって迫力ありました。
さてエキスポのマスコットキャラ TOYA を紹介しましょう。
『地』を分けると『土』と『也』それでTOYA
エキスポのテーマは『土で造る未来』。いい言葉です。
21世紀もう一度アタマをからっぽにして・・・何かを造り出そう!
トヤ君はカワイイけどぉー
オトモダチの韓国のネンド君たちわぁー
キモイってゆーかぁー、ブキミでぇー
動員目標500万人をはるかに上回りそう。
ただし海外からの動員目標50万人はムズカシー。
ぼくの目から見てこのエキスポ、成立してます。
入場料¥700は高くない。
日本のエキスポで言うなら奈良シルクロード博の
上を行ってます。

老若男女、すべての人を楽しませつつ
伝統から現代、韓国国内から世界へ陶磁芸術・工芸への視座を提供してると思う。

プロの陶芸家が手を動かすところを『見る』という体験と、
筆をとって絵付けする場があり、ロクロ水挽きの体験にあれほどの人が集まって
(次回紹介します)土に手を置く体験の場を用意し得たのは多とすべきところだ。
10年前の信楽陶芸博では体験の場はなかったし、そのあとあった九州の炎博ではど
うだったか。

『体験』は、生身の人が生身の人に出会い、その技量に触れ、
その人の目をとうして新しく物(陶磁器)と向かい合うキッカケになり得る。
それが無ければ過去の歴史的名品も世界レベルの現代アートもただの『物:ブツ』。
好事家や批評家たちの『物神であり飯のタネ』でしかない。

遠足に来て絵付けした韓国の子たちのなかの幾人かは焼き上がった壺になにがしかの
思いを入れて部屋に置き、もしかしたら花さえ生けるかもしれない。
ロクロ師とともに土に手を置き、のびあがる土の魔法に息をのんだ少女たちの驚きは
いつかどこかで何かを生み出すだろう。
たったひとりのそのような『未来』を持つことができれば『土で造る未来』は成就す
る。会場に時折流れるエキスポのテーマソングを訳すと・・・

 土で未来を

 土は生命の源 水とまじって 血になって
 火と出会って 目をさまし 生命の源となれ
 土に夢と心をくみだせば 青磁・白磁・粉青沙器が生まれて
 暗闇のなか 私の掌にあって 幸いと希望の 宝石となる
 土は未来を切り拓く 銀色の矢 明日の力 まぶしい光となれ
 土は未来を切り拓く 銀色の矢 土で未来を 未来を造ろう
 
いい歌だと思う。メロディーも良くって聞くたびになんかジーンとしてしまいました。

○その3 日本館とその周辺 につづくぅー   



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