こんときは7じの位置かな。
これで2回ほどのばして、カタチなめらかに整える。
クドすぎないかすかな指筋をいれて、使うときに手がすべらないよーに、保持しやすいよーに。
その指筋にイキオイがありかつゆったりとした「風ながれるよう」な『絵』であるのが理想。そー思いつつ1個1個に指で『風の絵』を描く。
口作りはロクロ師のイノチ=見せ場。
ここだけは充分な厚みを残しとかんとペラペラの口になってまうー。厚みを残して指で口作りを「作る」。
口作りをうまく作るコツ
コトバではどー書いても書けませんねー
いろんなヒトの品を買って自分で使い、口当たりのイイのと悪いのん、飲みくらべて真剣に見る。
それから自分でやって見る、それを使って見る・・・真剣に何万遍も『見る』、それしかない。
作った口作りを壊さんよーに「皮をあてる」
これ鹿の皮のなめし皮です。
皮あてたら「糸切り」しますー
糸で切るから糸底(いとぞこ)といいますー
このごろは大工さんの使うビニロンの水糸を使うのがフツーですが、ぼくは三線(さんしん:蛇皮線)の女弦(みーじる:一番細い弦)を使こてますー、じょうぶでほぐれないからー
11じの位置で品もンのむこうがわで糸をはり右手を1じ方向に、ちょこっときりこんでから、回転にあわせて4じの位置くらいまでは右手をそえる。
右手をはなすと巻き付いて行くから、糸の端が1周まきついたところで、左手を10じの方向にすばやく引き抜く。
これでできる『糸目』が底のデザインとして一番かっこいい。
糸目の底は手づくりの証(あかし)。
作り手の「気合い」がそこから読み取れます。
茶陶の伝世品やと「茶入」の底の「糸目」が鑑賞のポイントですからね。
「糸きり」したら両手の手のひらのドベ(手についたトロトロの粘土)をバケツの縁で良くきって、いま挽いた品もンを桟板(さんいた)に・・・
ドベを良くきらないとすべって持ち上がらない。
持ち上げた時に右手小指を底にまわして厚みが適切だったか確認すること。それを、つぎの1個を挽くときの参考にすること。手のひら全体で持ち上げるようにするとそんなにはひずまない。ひずんだとしても翌日の「仕上げ」のときに修正可能。
ま、土を天板にのせてからここまで1個につき3分ですね。
プロはそれくらいじゃないと。ずいぶんはやいと思うかもしれませんがそーではありません。
いままでやってきた25年+3分・・・なんです。
へへっ、これ人間国宝 濱田庄司のパクリ。
大皿の絵付けが1分で終わってバーナードリーチに「もうすこし時間をかけても・・・」と云われたときの答え、そのパクリです。
かっこいいねー♪
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「仕上げ」につづくぅー♪
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