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  悲願八風峠 1
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  悲願八風峠 4

悲願八風峠 3

16年前 八風峠 第一次アタック隊 敗退

 翌年の第二次アタックは 少数精鋭で望んだ

 15年前 1994年 正月
 八風峠へ 再び ぼくひとり 
 歩き出し 朝10じころやったかなー 
  
 ルートを 変更したんですわ
 石槫峠から尾根伝いに行く んではなく
 八風谷から八風峠をめざした んですが・・・・
 今回やっと登頂成功したのとおなしルート・・・
 片道2時間あれば着く ハイキング程度の山・・・・

 それが あやうく 遭難スレスレ 命からがら・・・

はい こないだ6月1日 登頂成功の記録♪
うちから国道421=八風街道 を奥へと進む
政所 杠葉尾:ゆずりお ←ここが滋賀県側 最終の集落

その先で神崎橋を渡って 茶屋川ぞいの山道をしばらく行く
右手に1月に貫通した石槫トンネル工事現場 がありまして
このトンネルは 平成23年供用開始らしー ですけど・・・

その手前に 八風キャンプ場へ上るコンクリート道路
道脇にクルマを停めて はい 歩き出し8じ10ぷん

空は晴れ晴れ しばらくは 八風谷ぞいに 舗装林道
道は谷を左に見て右岸 30分ほど進むと 左手に
八風峠への案内板 これを見落とさないよーに
左に下りて 谷を渡る

 15年前には これがなかった
 そのまま林道を進んでしまった
 そして勘をつけて 方向を決め
 登山道ではないルートで
 かなり南にある中峠へと登った

今の鈴鹿の山
ムカシはなかった ちゃんとした案内板整備が進んでる
湖西の武奈ヶ岳や 湖北の横山岳 でも見たのとおなじ
レスキューポイント指示板も そこここにある
万一のとき ヘリまたは救助隊が居所を特定できるように

 レスキューポイント八風谷ー5  とか明示してある 

対岸を進んで 砂防堰堤があったんで 
これからの 登りに備えて ちょい服装を整える



八風谷 の水 清らかである



いたるところに ネズミモチ の花ざかり


谷に沿って進む 平坦路にちかいカンジで ラク〜♪
案内表示がテイネイに数多く設置してあり 迷わない

 15年前 まちがって右の林道を進み
 途中から そーとー苦労して中峠に出た 
 登り始めは無かったのに 稜線に近づくと
 クリスマスのころに降った雪が20センチ積もってる

 テニスシューズを履いてたんである

 稜線を北に進んで 八風峠を目指した
 ひどいヤブ 胸くらいの高さ ヤブを漕ぐ
 その熊笹は 解けた雪で ずっしりと濡れている

 上下とも 木綿のスェット 着てたんですわ

 ぐっしょりと濡れ 身体が冷え始める
 遅い昼食 小さな火を熾そうとしたが 火はつかず
 冷え切った身体で つめたい弁当を 強風の中で食べた

 あといくつか 小ピークを越えれば 八風峠のはず
 北に向けて稜線のヤブを漕ぐ またしとどにぐっしょり

 あんまり濡れて 震えが来て 歯が鳴りはじめる
 地図によれば もうすぐのはず しかし気力が持たない 
 藪が続く稜線 下る時間を考えると もう下りるしかない 3じすぎ

  断念 撤退 転進

  左の谷に沿って下れば
  絶対に戻るべき車道に出る

 そう心に記して 積雪20センチの
 登山道ではない 谷筋に歩を進める

 しばらくはなだらかな 潅木の少ない林
 そこを通った鹿たちの 踏み分け道 鹿道

 が 雪の下は 土だったり岩だったり
 で 鹿道は右に左に 小さな川を頻繁に渡る
 で 谷の岩には雪と 氷が厚くかぶさっている

  滑ってコケたら・・・
  ずぶ濡れになる・・・ 
  捻挫骨折負傷が怖い・・・

  ある程度 鹿道を利用しつつ たどりつつ
  転倒をさけるために 谷を渡る渡渉を避けつつ
  自分なりの安全なルート選択をと瞬間的に判断するが・・・

  鹿道に導かれて 高い崖に出てしまう 
  進めない もどる 凍った谷を渡らざるを得ない
  冷えに冷える 靴の中

  陽は 暮れ始めている
  ヘッドランプは ある
 
  あるが 
  登山道に 
  もどれてこそ 

 しだいに焦りはじめる
 しだいに不安が募っていく
 
  ひょっとして・・・
  どこかで大きな判断ミスしてないか・・・
  これを下ってもクルマのとこに 下りられへんかも・・・
  いや 絶対にそんなことはない 地図によれば・・・
  いや この地形から・・・いや 勘を信じて・・・

 しだいに早足になっていく
 しだいにパニックになっていく

  このパニックこそが 怖い

  このパニックこそが 遭難を引き起こす

  落ち着け 落ち着け と何度も自分に言い聞かせた


  きっとこのとき ぼくの顔は 真っ白 になってたはず

  この植物みたいに・・・・


ギョリンソウ 

今回 見つけた めずらしい植物♪

6月1日 カミさんと登る 晴れた 八風谷
傾斜はユルイ 右の谷すじ 美しい滝 瀞:とろ
ヤブはひどくない いいカンジに木々が繁り いい日陰
暑くなく寒くなく いい風が吹いてくる 気持ちいい登山道♪

 あれっ・・・・
 このへんや・・・
 ここやっ! 
 15年前 
 パニックになりかかって 
 ごっつ焦ったけども
 なんとか登山道に戻れたんは ここやっ!

 覚えてるもんやなぁ 15年前やのに 地形のカンジって
 あんとき正規のルートに戻って ほんまにホッとしたわ
 進んで下って 植林の杉林になったとき 里が近いと感じた
 雪が消えて 地道になって 道がしっかりして・・・
 クルマにたどり着いて 家に帰って 風呂に浸かって・・・
 心底 ありがたい と思もたわ・・・

 あんときで37歳
 高校の山岳部からすでに20年
 近い山ハイキングの山と ナメたから 遭難しかけた
 ちゃんとした装備 ちゃんとした準備 必要を痛感した

 高校山岳部 顧問のセンセ先輩たちが しっかりしてた
 その人らに連れていってもろてただけ 痛感した

てなことをカミさんと話ながら とくにひどい登りも無く
たらたら ユルユル ラクラク と1時間50分も歩くと・・・



標高は900mくらい

空が近くなってきて 
西から強い風の吹く 稜線
どーんと見える三重県 伊勢湾

 ここが八風峠かな?
 石碑と鳥居があるはずやけど?

案内板 八風峠 はまだ右手らしー
ほんとにちょい50mで 八風峠♪



おーっ 
リッパな石碑やー
鳥居をくぐって ひざまずき
手を合わしてのち 思わず 五体投地した 全身で感謝した

   やっとついたぁー
   16年かかったぁー



   八風大明神♪


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明日 このつづき
この 石碑のことや 
縦走 釈迦が岳への往復
   三池岳から石槫峠へ

 

悲願八風峠 4

 




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八風窯(はっぷうよう)

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