この連休 稼ぎ時。
カミさんは5/1〜3と信楽「やけもの市」で売り、
ぼくは5/3〜5と岐阜県土岐市の「土岐美濃焼卸し団地陶器まつり」で売った。
うちはかならずリピーターがきてくださるんで・・・
信楽と土岐、両方あわせて昨年の10%増しの売り上げ、49万。ふーっ、これで今月も給料はらって米が買える〜♪
5日の夜に撤収はすませてもう1泊。
6日に土岐で用事と勉強。
まず焼上げた品物の底を摩る研摩機のアタッチメントを買いに駄知(だち)に行く。そのあとで町中を歩いてると・・・
石膏型をつみあげた「生地屋」さんがそここに
粘土にある薬剤をいれると泥状になる
その泥を何段も積み重ねた、この石膏型のなかに圧力をかけて流し込むと水分が石膏型に吸われて器ができあがる。
注入鋳込みという作り方です。
こんなふうに型からいくつもいくつも器ができる。
ここは『生地屋』さんなんでここでは焼かない。
『焼き屋』さんに運んでそこで焼く。
こまかく分業が進んでる。
この駄知とゆーエリアは美濃焼のなかでも丼とスリバチを主に作ってきたエリア。むかしは手づくりで丼やスリバチを作ってきた工場もいまは機械ろくろやこの注入鋳込みでいろんなものを作ってる。
今回はじめて駄知に行って・・・
こーいった大量生産の現場からも学ぶべきことはいーっぱいある。ホントそー思ったなぁ・・・
土岐と多治見で用事と勉強。
土岐市の駄知で『すりばち館』に行った。
スリバチ専業でやってきた丸本陶器が食器も作るようになって、昭和初期に建てられた工場をギャラリーやミニコンサート会場として活用、雰囲気がある。スリバチのミニ博物館としての展示物もオモシロイ。
駄知ではやきもの屋の工房を「モロ」とゆーそう・・・
この古いモロの空間が何千万ものすりばち、
美的付加価値のつかない生活のためのやきものを生み出して来たんやなぁ・・・
そこで生き死にした、無名の陶工たち・・・
その恩につらなってある今のぼくの仕事・・・
いいものをつくらなければ・・・
となりの焼き屋さんのの印判館もみたかったなぁ、
連休明けで休みやったけど。次回のたのしみとしよう♪
さいきんできた道の駅『どんぶり会館』に行くも連休明けでここも休み。でも見晴し良くって野外展示してある陶彫(やきものの彫刻作品)がオモシロイ!とくにこの巨大カエル!
前部はカエル。後部はマヤやアステカをホーフツさせる古代都市。背丈より大きい。
さて多治見にむかって用事。
中古レンガや窯まわり機材をあつかう『土本商店』へ。
どう撮っても『土本商店』の現場の迫力は伝えられない、
すごいよー、つみあげた中古レンガの山とそのなかの細道。
通る時・・・ちょっと恐い
ここで棚板(窯の棚組みにつかう)70枚などを買う。
新品を正価で買うと¥3800の棚板30×35センチ厚さ8ミリ。
これが¥750 貧乏陶工御用達の店。
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あしたは多治見『さかづき美術館』と
ぼくが20年前1ヶ月間だけお世話になった
『幸兵衛窯』をホーコクします。
中古窯材料屋、『土本商店』で買い物して
多治見 市の倉の 幸兵衛窯へ
うつくしい所 なつかしい所
20年前窯ぐれ修行のぼくを 受け入れてくださった所
20年前の6月から7月の1月をここにくらし、学んだ
京都の窯元を6年でやめ、韓国を1月旅し
越前で1月窯焚きし、憧れだけで、ここをお訪ねして・・・
「仕事させてください、
寝て食べさせていただければ給料はいりません」
ただのわけわからんニイちゃんの
ムシのいい思いをうけとめてくださった、この場所
その1ヶ月は宝物のような思い出
飛騨の民家を移築した資料館にはペルシャのラスター彩や織部の陶片が展示されていて・・・
当時は4000年前のラスター彩の逸品の完器もむき出しで展示してあり、ドキドキした。
三階まである資料館
これ高麗と李朝の逸品
現当主6代加藤幸兵衛=加藤卓男先生は
ペルシャラスター彩と唐三彩の重要無形文化財=人間国宝。
先代5代の仕事
6代卓男先生の作品
7代 裕英先生の作品展示室などなど・・・
歴代がつないできた陶家の『革新と伝承』
ほんとにすごいことや
むかし世話になった人間ってことで
なつかしい仕事場にも立入らせていただいて・・・
なつかしいみなさんとも再会
量産部の仕事場には三点の棟方志功が架かってる
印刷やのーてオリジナルの板画(すごいでしょー)
仕事場 変わった所もあり、変わらぬ所もあり
居られなく方もあり 変わらず仕事されてる方もあり
おぼえてくださってる方々からは・・・
やっとかめやねー、
変わらずやきもんの仕事しとりゃーすか?
はい、あの時みなさんに『出世しゃーよ』と送りだしてもろて出世はしてませんけど、なんとかやきものの仕事で食べてます。この三日は土岐の陶器まつりで売らせてもろてました・・・
がんばっとりゃーすで良かったわなぁー
20年ぶりの幸兵衛窯は・・・なんか涙 出そうでした。
幸兵衛窯からすぐの『さかづき美術館』
おもしろい
むかし、クルマのない時代、
山の中やったここ市の倉は少量の土で作れて
工夫が盛り込めて、特化できる盃の生産に名を馳せた。
3代 幸兵衛や同時代の名工たちの仕事は
明治近代国家ニッポンの名をパリ万博で高らしめた。
いろーんな盃の展示
戦時中の盃・・・
おんもしろいなぁ・・・
みなさんも多治見に行かれたら
『幸兵衛窯』と『さかづき美術館』に行ってください。
ハプーぜったいのおすすめです。
『幸兵衛窯』
『さかづき美術館』
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